こんにちは、NAO(@nao_wanderlust)です!
最近、理学療法士(PT)の実習生が職場に来て、毎日頑張っています。
実習生に卒業後の進路について聞いてみると、
- 「病院以外での理学療法士の職場がわかりにくい」
- 「各職場(病院、施設等)の特徴がイマイチ掴めていない」
と悩んでいました。
そこで、実際に様々な職場で働いた経験を生かして、理学療法士が主に活躍する職場の種類について、経験談も交えて、解説します。
- これから理学療法士を目指そうとしている方
- 現在、理学療法士として働いているが、他の分野についても知りたい方
は、参考にしてください!
理学療法士が活躍する職場 ①医療施設
日本理学療法士協会の調査によると、6割を超える理学療法士が医療施設に勤務しています。
医療施設といっても、病院やクリニックなど、形態は様々です。
病院

医療施設の中でも最も多くの理学療法士が勤務しているのが、病院です。
病院といっても、大学病院から小さな療養型の病院まで様々で、病院の形態によって理学療法士の働き方も異なります。
病院は種類や病床数など、様々な区分の仕方があります。
今回は、医療機能別に病院を分けてみます。
急性期病院
急性期とは?
病気を発症し、急激に心身の健康が失われ不健康になった状態の事を指します。
一般的に、病気を発症してから約14日以内が急性期の目安と言われています。
・早期リハビリテーション
病気を発症、または手術後、早期の離床や運動介入を行う方が、廃用症候群を防ぎ、その後の身体機能やADLの改善に良いと言われています。
そのため、理学療法士は十分なリスク管理を行なった上で、早期離床を目標にリハビリテーションを行う必要があります。
急性期病院で働くにあたって必要なスキル
- リスク管理
- 短期間で患者に適したリハビリの提供
→知識や技術のブラッシュアップが常に必要
回復期
回復期とは?
急性期を過ぎて、病状が安定し始めた時期のことを言います。
病状も落ち着き、自宅退院や社会復帰に向けて集中的なリハビリテーションを行う時期です。
・機能の回復、ADLの改善
理学療法士を始めとしたリハビリテーション職は、心身機能の向上及び在宅生活や社会復帰に必要な動作の獲得を目指します。
回復期で働くにあたって必要なスキル
- 身体機能・ADL改善のための知識や技術
- 他職種と連携を取れるコミュニケーション力
その他に、最近では地域包括ケア病棟を持つ病院も増えています。
慢性期
慢性期とは?
慢性期の入院施設として知られているのは療養型病院です。
急性期や回復期を経ても、医療的な措置が必要な患者さんの入院が主です。
・再発予防や機能維持
慢性期では、長期にわたる治療が必要になることが多いです。
また、入退院を繰り返される方も多く、徐々に身体機能やADLの低下も見られます。
回復期ほど著明な改善は見られないかもしれませんが、褥瘡予防や拘縮予防、ADLの維持など、理学療法士として求められることは多くあります。
慢性期で働くにあたって必要なスキル
- 長期的に患者さんの体と心に向き合う能力
- 少しの変化にも気づくことができる能力
クリニック

クリニックとは?
クリニック(診療所、医院)では、主に外来患者さんを診る医療施設です。
病床数が19床以下を有床診療所、病床を持たないものを無床診療所と言います。
・的確な評価と治療
多くの理学療法士が勤務する整形外科の外来リハビリテーションでは、毎日多くの患者さんが来院されます。
短時間で、患者さんの症状を聞き、評価・治療をする必要があります。
クリニックで働くにあたって必要なスキル
- 短時間で様々な部位に対する評価・治療技術
最近、外来業務の空き時間に、通所リハビリテーションを実施しているクリニックも増えています。
理学療法士が活躍する職場 ②介護分野

高齢化に伴い、介護分野でのリハビリテーションの需要が増えており、従事する理学療法士も増えています。
介護老人保健施設(老健)
老健とは?
介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練 その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。
(介護保険法第8条第28項)
老健と聞くと、特養のようなイメージを浮かべる方も多いかもしれません。しかし、2017年6月改正の介護保険法で「在宅支援施設」と明記されました。
そのため、最近ではリハビリに力を入れている施設も多いです。
・包括的なアプローチ
身体機能の改善だけにこだわるのではなく、環境面や介護サービスの調整などを行い、在宅復帰を支援する必要があります。
老健で働くにあたって必要なスキル
- 介護保険制度に関する知識
- 福祉用具や住環境調整に関する知識
通所リハビリテーション(デイケア)・通所介護(デイサービス)
通所リハビリ・通所介護とは?
通所リハビリは、医師の指示のもと、リハビリテーションの専門職がリハビリを提供する介護保険サービスです。
一方、通所介護は、必要な日常生活上の世話(食事や排泄、入浴)及び機能訓練を提供するサービスのことです。
在宅生活をできるだけ長く継続するためにも、身体機能の維持や回復を目指します。
また、通所リハビリテーションでは、医師や看護師、介護職員との連携が必要です。
通所介護での機能訓練は、必ずしも理学療法士などのリハビリテーション専門職である必要はありません。
最近では、リハビリ特化型のデイサービスも増えており、理学療法士の活躍する場が増えています。
通所系施設で働くにあたって必要なスキル
- 介護保険制度に関する知識
- 他職種とのコミュニケーション能力
- 利用者の生活を把握して、適切なリハビリを提供する能力
訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションとは?
訪問リハビリテーションは、リハビリテーションの専門職が、利用者さんの自宅に訪問し、リハビリを提供するサービスです。
(医療保険を使用して訪問リハビリテーションを受けることもできます。)
利用者さんの生活の場に出向き、日常生活の自立支援、社会参加の向上を図ることが目的です。
自宅で困っている場面に応じたアプローチができるのが、特徴です。
訪問リハビリテーションで働くにあたって必要なスキル
- リスク管理
- 介護保険制度に関する知識
- 福祉用具や住環境に関する知識
理学療法士が活躍する職場 ③教育・研究施設

理学療法学の発展や後進の育成のために、教員や研究職として働く理学療法士もいます。
この場合は、大学や大学院を卒業していることが条件としていることもあるため、注意が必要です。
大学・大学院
大学や大学院は、教育の場だけでなく、研究の場でもあります。
そのため、大学や大学院で教員となるためには、研究テーマに関する論文や学会発表も行う必要があります。
専門学校
大学教員と違い、学士を有していなくてもなれる学校もあります。
理学療法士としての臨床経験が必要です。
授業や実技指導、就職相談など業務内容は多岐に渡ります。研究は独自にしている教員の方もおられます。
大学・専門学校ともに、教員には、教育に対する熱意や臨床実績も求められます。
理学療法士が活躍する職場 ④その他
スポーツ分野
最近では、スポーツ選手のリハビリテーションも注目され、人気の分野です。
- 自費診療を行う
- プロのチームと契約する
- スポーツリハを得意とする整形外科に勤務する
- 学生のクラブ活動にボランティアとして帯同する
などがありますが、人気の分野で、狭き門であることが多いです。
また、専門的な知識や技術が求められます。
アスレティックトレーナーの資格を併せて有する人もいます。
その他
その他に、
- 行政機関(保健所、市役所など)
- 一般企業(フィットネスジムなど)
などで、働く理学療法士がいます。
理学療法士が活躍する職場 まとめ
理学療法士が活躍する職場の種類について、紹介しました。
高齢化が進む中で、理学療法士の需要は高まっています。
また、様々な職場について知っておくと、自分に合った職場を選ぶことができ、就職や転職時に役に立つでしょう。
お読みいただきありがとうございました!
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